【モスクワ=副島英樹】数学の難問の一つ「ポアンカレ予想」を解決したロシアの数学者グレゴリー・ペレルマン氏(44)が、米国のクレイ数学研究所(CMI)が3月に贈呈を決めた賞金100万ドル(約9千万円)の受け取りを最終的に断った。 インタファクス通信が1日伝えた。4年前には数学界最高栄誉のフィールズ賞を辞退するなど「変わり者」として知られ、今回も動向が注目されていた。 ペレルマン氏はロシア第2の都市サンクトペテルブルクで母親と暮らし、メディアとの接触も断ってきた。だが同通信に1日、「断った理由はいろいろある。だから結論を出すまでに長くかかった」と明らかにした。主な理由として「数学界の決定は不公平で異議がある」と主張。ポアンカレ予想の解決に貢献した米国の数学者リチャード・ハミルトン氏の功績が十分に評価されていないことを挙げた。 国際数学者会議は2006年、ペレルマン氏にフィールズ賞の授与を