バグから学ぶ計算機科学 Scalaのハッシュテーブルにおいて並列コレクションのためのコード変更が大量の衝突を引き起こした事例 書いた人: ると 書いた日: 2012年1月21日 はじめに Twitterで「有名なオープンソースソフトで今まであったおもしろいバグを解説した本とかないだろうか」とツイートしたらそれなりに需要があるようでした。そこで先ず隗より始めよという故事にのっとり、死馬の骨としてバグ解説記事を書いてみます。 今回のバグはScala 2.9の標準ライブラリに含まれるmutable.HashSet(ハッシュテーブルを使った重複無しコレクション)のコピーがJavaの標準ライブラリに含まれるHashSetの100倍遅いというバグです。並列コレクションのためにぱっと見問題の無い変更を加えたら思わぬところで影響が出たというものです。 なお、今回はScalaに関するバグですが、Scalaに