9月14日午後2時、「イプシロン」ロケット初号機は、鹿児島県・肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた。打ち上げは成功し、搭載された惑星分光観測衛星「SPRINT-A」を予定の軌道に投入した。 今後イプシロンは、H-IIA/H-IIBと共に日本の宇宙開発を支える宇宙輸送システムとして利用されることになる。しかし、その前途にはいくつかの不確定要素が存在する。 まず、どのようにして打ち上げ回数を増やすかだ。これはH-IIAと共通する課題である。イプシロンは低コスト設計を徹底したロケットだ。打ち上げ回数が増えなければ、量産効果が働かず、1回当たりの打ち上げコストをより一層低下させることができない。国の宇宙予算が頭打ちになっている現在、打ち上げ回数を増やすには、国際的な商業打ち上げ市場に進出する必要がある。しかし、そのための方策ははっきりとは見えていない。 もう1つ押さえておかねばならない観