『ゼロ・グラビティ』鑑賞。 「絶叫マシン」が好きだ。猛スピードで道路脇を駆ける後楽園。民家の隙間を抜ける浅草花やしき。広大な自然の中で上下左右も解らなくなるほど振り回される富士急ハイランド。もちろんディズニー・ランドのスペースマウンテンやビッグサンダーマウンテンの完成された箱庭を抜ける楽しさは別格だ。 しかし、フリーフォール系だけはどうにも苦手だ。塔にくくりつけられた座席がてっぺんまで引き上げられ、落下。ジェット・コースターが「スピード」の娯楽だとすればフリーフォールは単純に「死の疑似体験」だ。 文学や絵画など多くのジャンルで「死の疑似体験」もしくは「死」そのものと向き合うものは存在する。もちろん映画にも「死の疑似体験」を娯楽にした作品は多い。ホラー映画、サスペンス映画など、殺されるかもしれない恐怖にさらされた人を見て感情移入し、死を考え恐怖する。そして、今の生(せい)を実感する。 メメン