農林水産省は19日、ミカンの出荷量が好天で前年を3割以上上回り、10月の卸売価格が需給調整の発動基準に達したため、20日から31日まで緊急の需給調整を行うと発表した。価格安定を目指す緊急需給調整の発動は、ミカンでは09年以来、3年ぶり。 ミカンの生産出荷団体「全国果実生産出荷安定協議会」によると、10月上旬の卸売価格は1キロ当たり172円で、需給調整の発動基準(過去6年間の平均卸売価格の80%)となる173円を下回ったため、農水省に発動を要請した。 需給調整は同期間中の出荷計画の13%に当たる3000トンを生食用から、ジュースなど加工用に振り向け、市場への出荷量を抑制する。生産者には1キロ当たり34円の補給金が支払われ、半額を政府が負担、残りを都道府県と生産者団体が負担する。農水省は生産量と価格変動が大きいミカンとリンゴについて、緊急需給調整の制度を設け、価格安定を図っている。【川口雅浩】