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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (13)

  • 知能の仕組みを解き明かし、人間を超えた汎用人工知能やマインドアップロードの可能性まで考察する──『脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論』 - 基本読書

    脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論 作者:ジェフ ホーキンス早川書房Amazon人間は日々新しいことを学び続けている。民主主義についてや数学の理論など複雑な概念に限った話ではなく、たとえばアプリをダウンロードしたらその使い方を学ぶだろう。道を歩けば、こんなところにハンバーガー屋や眼科ができたんだな、と気がつき、日々頭の中の情報、世界のモデルは書き換わっていく。 それらは、必死になって英単語を覚えるように努力して覚えるようなものではなく当たり前のように行われることなので、特に高度なこととは思えない。しかし、人間のそうした自律的な学習機能がプログラム上でそう簡単には実現できていないことからもわかるように、実際には相当に複雑なことをやってのけているのである。では、我々の脳の中では、そうした偉業がどのようにして成し遂げられているのか? 書『脳は世界をどう見ているのか』

    知能の仕組みを解き明かし、人間を超えた汎用人工知能やマインドアップロードの可能性まで考察する──『脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論』 - 基本読書
  • 造語「メタヴァース」を生み出し、数々の起業家の世界観に影響を与えた伝説のSFがついに復刊!──『スノウ・クラッシュ』 - 基本読書

    スノウ・クラッシュ〔新版〕 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:ニール スティーヴンスン早川書房Amazonこの数年メタヴァース=仮想現実が盛り上がっている。Facebookが社名を「Meta」に変更し、OculusQuestやVRchatが普及し、フォートナイトでのライブ・生活体験が当たり前になり、仮想空間上での会議や共同作業など、実生活でもメタヴァース関連の話題が上がることが増えてきた。その背景には新型コロナの蔓延によって対面での接触機会が減少したり、技術が発展したことで機材が安価になり、仮想空間の描画力が増し、できることが増えてきたからなど複数の理由が絡んでいるのだろう。 森博嗣『すべてがFになる』の中で、天才科学者真賀田四季は、西之園萌絵に『博士……。博士のご研究の一つ、仮想現実の技術は、どんな役に立つのでしょう?』と聞かれ『「当に話が飛びますね。仮想現実は、いずれただの現実になりま

    造語「メタヴァース」を生み出し、数々の起業家の世界観に影響を与えた伝説のSFがついに復刊!──『スノウ・クラッシュ』 - 基本読書
    hatecafe
    hatecafe 2022/01/28
    復刊うれしい。若かりし頃に読んでハマったなー(下巻はちょっと疲れたけど)。プーンしたいなーとか。Kindle版買おうかな。
  • 早川書房の1500作品が50%割引の大型電子書籍セールがきたのでオススメを紹介する - 基本読書

    三体Ⅱ 黒暗森林(上) 作者:劉 慈欣早川書房Amazon早川書房の1500作品が最大50%割引という大型の電子書籍セールが来たので、僕が読了済みのものからオススメの作品を一部紹介してみよう。早川書房は定期的に電子書籍セールをやるが、前回の大規模なものは確か2020年3月頃の1000点セールだったので、セール対象は増えていることになる。なんと、先日完結したばかりの『三体』も、さすがに完結巻は対象ではないけれども第二部までがセール対象。 amzn.to まずはSFから紹介する。 三体 作者:劉 慈欣早川書房Amazonまずは早川といえばSFということで、SFから紹介してみよう。目を引くのはやっぱり『三体』である。先日三部作全体の紹介を書いたばかりだが、文化大革命からはじまり異種知性とのファースト・コンタクトが描かれる比較的現実路線の一巻。ファースト・コンタクト後、人類最高峰の知性が異種知性に

    早川書房の1500作品が50%割引の大型電子書籍セールがきたのでオススメを紹介する - 基本読書
  • 書評・感想記事の書き方について - 基本読書

    なんとなく、一度僕の書評・感想記事の書き方についてまとめておこうかと思った。先日下記のようなブログに関する記事を寄稿したところ、幾人かがこれに触発されてブログを書いてくれたようで、個人的に嬉しかったから、というのが大きい。 blog.hatenablog.com 書評(でも感想でもなんでもいいんだが)の書き方の正解を教えるとかそういうわけではなく、単純に僕がどうやって記事を書いているのか、書くときに何を考えているのか、ということの簡単なまとめである。人によって感想ブログといっても書き方は全然違うはずで、書き方の違いを見比べてみるのもおもしろいんじゃないか。 手順 当たり前だが一度通読する。その時点でブログに書くかどうかを検討して(書かないことも多い。あまりおもしろくないな、と思ったり、おもしろいと思ってもタイミングを逃すこともあるし、書きづらくてスルーしてしまうこともある)、載せる、となっ

    書評・感想記事の書き方について - 基本読書
  • 2020年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書

    2020年ももうすぐ終わるので、読んでおもしろかったノンフィクションを振り返っていこうかと。今年はまるっとの雑誌でノンフィクションの新刊ガイドを担当しており、例年よりもたくさん読んだような、あまり変わらないような。とはいえ、おもしろいノンフィクションには山ほど出会ったので、思い出しながら書いていく。 まずは科学系から! LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界 作者:デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント発売日: 2020/09/01メディア: Kindle版科学系のノンフィクションの中で最もおもしろかったのはなにかといえば、デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラントによる『LIFESPAN 老いなき世界』になる。シンクレアは老化の原因と若返りの方法に関する世界的な権威で、老化は克服できる病であり、克服すべきだ、とこのの中で強烈に主張している。ほとんどすべての

    2020年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書
  • 人類の英知がこの一冊に詰まった文明速攻再始動マニュアル──『ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』 - 基本読書

    ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド 作者:ライアン ノース発売日: 2020/09/17メディア: Kindle版この『ゼロから作る科学文明』は、もしもあなたがタイムトラベラーではるかな未来から過去の世界に飛んでしまい、さらに戻る手段がなくなったとしたらどうやって文明を再興するのか──について書かれた一冊である。 実はこれと同じ発想のが5年前に邦でも翻訳で刊行されている。それは『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』というで、最初書(ゼロから〜の方)の書名と内容をみたとき、あまりにも『この世界が〜』とかぶっていそうだったんで、「色んな意味で大丈夫なのかな?」とビクビクしながら読み始めたんだけど、きっちりこの世界が〜の著者ルイス・ダートネルからの推薦コメントも存在しているし、何よりの最初の前提の置き方がこの二冊では異なっているので、書かれている

    人類の英知がこの一冊に詰まった文明速攻再始動マニュアル──『ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』 - 基本読書
    hatecafe
    hatecafe 2020/09/20
  • 《天冥の標》から『息吹』まで、多数の傑作SFが刊行された2019年を振り返る - 基本読書

    息吹 作者:テッド・チャン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/12/04メディア: 単行 傑作揃いの短篇集 今年のSFでまず中心的に語っておきたいのは*1、素晴らしい短篇集が多数出たことだ。たとえばテッド・チャン『息吹』は著者一七年ぶりのSF短篇集で、『メッセージ』の題名で映画化された短篇を含む前作『あなたの人生の物語』を上回る密度を誇る傑作ぞろい。中でも表題作「息吹」は我々の世界とは仕組みが異なる異世界の生活や原理を緻密に描き出しながら、一人の科学者の脳科学・物理学の追求を通して世界の真実に至ろうとする物語で、三〇ページほどの中に世界を探求することの喜びが緻密に織り込まれている。この一〇年で読んだ中で最上の一篇である。 ビット・プレイヤー (ハヤカワ文庫SF) 作者:グレッグ イーガン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/03/31メディア: Kindle版他、外

    《天冥の標》から『息吹』まで、多数の傑作SFが刊行された2019年を振り返る - 基本読書
  • BIを導入したら本当に人は働かなくなるのか?──『みんなにお金を配ったら──ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?』 - 基本読書

    みんなにお金を配ったらー―ベーシックインカムは世界でどう議論されているか? 作者: アニー・ローリー,上原裕美子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/10/11メディア: 単行この商品を含むブログを見るベーシックインカムという、最低限所得保障の考え方がこの世に存在する。簡単に説明すれば、一月3万なり10万なりを、制限をつけず全国民に配布しちゃいましょう、という考え方である。「え、毎月10万貰えたらメッチャ嬉しい、やったー!」と気分が沸いてくるが、実際には利点に関しても欠点に関しても様々な議論がある。 BIの想定される利点と欠点 たとえば、そもそも財源をどうするんだ、という問題がある。また、全国民に配分するということは、金持ちにも同様に配るわけなので、貧困者を狙い撃ちにしたほうがもっと効果的なんじゃない? 説もある。他にも、毎月10万も(仮に)もらえたとしたら、人々は働かなくな

    BIを導入したら本当に人は働かなくなるのか?──『みんなにお金を配ったら──ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?』 - 基本読書
  • 人類のほぼ全てが視力を失った終末世界──『トリフィド時代―食人植物の恐怖』 - 基本読書

    トリフィド時代 (人植物の恐怖)【新訳版】 (創元SF文庫) 作者: ジョン・ウィンダム,中村融出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/07/30メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る英国SF界にその名を轟かすジョン・ウィンダムの代表作『トリフィド時代』の新訳版が出た。僕も三足の動く植物がまあなんかスゲーんだよ!! という雑な評判は知っていたのだが読むのは今回がはじめて。第二次世界大戦の爪痕が色濃く残る1951年に刊行された作品だけれども、今読んでもめちゃくちゃおもしろい。 基的には終末世界をわずかに生き残った人間がロードームービー的に旅をしていくのだが、その世界には人間をべる凶悪な植物〈トリフィド〉がいて──と、今でいうと終末ゾンビ物のゾンビがトリフィドに入れ替わったような感じか(内容はずいぶん違うが)。ゾンビだと「死」の象徴としての側面が強いし、手垢が

    人類のほぼ全てが視力を失った終末世界──『トリフィド時代―食人植物の恐怖』 - 基本読書
  • 今年も素晴らしく質が高い年刊日本SF傑作選──『プロジェクト・シャーロック』 - 基本読書

    プロジェクト:シャーロック (年刊日SF傑作選) (創元SF文庫) 作者: 大森望,日下三蔵出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/06/29メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見るはい、毎年恒例日のSF短編から質の高いものを選びぬいた年刊傑作選が今年も無事刊行。今年で11年目だそうな。特にこの数年に関しては毎年毎年質が高く、質が高いだけではなく作品のばらつき、広がりもあって満足感は高まるばかり。今回も新鋭からベテランまで読み応えのある作品が揃っているので、早速紹介していこう。 ざっと紹介する トップバッターである上田早夕里「ルーシィ、月、星、太陽」はホットプルームの上昇によって大陸での大噴火が引き起こされ、地球全体を覆った粉塵によって地球環境が激変した未来を舞台にした一篇。大傑作『華竜の宮』、『深紅の碑文』の続篇にして、すでにその姿を消した旧人類から未来を託さ

    今年も素晴らしく質が高い年刊日本SF傑作選──『プロジェクト・シャーロック』 - 基本読書
  • ビル・ゲイツが絶賛しオバマ前大統領が楽しんだ本格宇宙SF──『七人のイヴ Ⅰ』 - 基本読書

    七人のイヴ ? (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者: ニール・スティーヴンスン,日暮雅通出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/19メディア: 新書この商品を含むブログを見るサイバーパンクの傑作として名高い『スノウ・クラッシュ』、ナノテクの発達によって変容した文明社会を描き出す『ダイヤモンド・エイジ』などでその名を世界に轟かせたニール・スティーヴンスンによる格宇宙SFがこの『七人のイヴ』である。 早川書房からのリリース文では『マイクロソフト創業者のビル・ゲイツが「思考を喚起する圧倒的な面白さ」と自身のブログで絶賛。また、任期中のオバマ前大統領が夏に楽しんだ1冊だと公表したことでも話題となった全米ベストセラーです。』とあり、え、それは当にSFなの? と疑問に思ったぐらいだったが、月が突如として7つに分裂して以後の、人類の存亡をかけたサバイバルを描く純然たる傑作(今のとこ

    ビル・ゲイツが絶賛しオバマ前大統領が楽しんだ本格宇宙SF──『七人のイヴ Ⅰ』 - 基本読書
    hatecafe
    hatecafe 2018/06/19
    読みたい。Kindleで出してほしいなー。そしてこれを機に他の本も!先日Amazon見たら中古しか売ってなくてびっくり。。いつか読もうと思っていたのに。。(スノウクラッシュしか読んだことない)
  • 転生したら人工知能にさせられ、有無を言わせず居住可能惑星探査に送り出された件──『われらはレギオン1 AI探査機集合体』 - 基本読書

    われらはレギオン1 AI探査機集合体 (ハヤカワ文庫SF) 作者: デニス・E・テイラー,EVILVIT,金子浩出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/04/04メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るSF大会に欠かさず参加し誰かれ構わずSFネタを喋り散らすクソSFオタクであるボブは、無神論者で、人体冷凍保存会社(死亡した直後に頭部のみを切断し、未来の技術が生き返らせられるようになるまで保存しておく会社。ちなみに実在する。)と契約するような人間だが、そんな彼がある日突然の交通事故で死んでしまう──。 意識を取り戻した彼がいるのは、なんと117年後のキリスト教原理主義国家となったアメリカ。そのうえ彼は生身の身体を持たない複製人(レプリカント)*1となっていた! 国家の所有物となった彼に与えられた任務は居住可能惑星探査! 自己増殖する自動恒星間探査機に知的機能の制御係とし

    転生したら人工知能にさせられ、有無を言わせず居住可能惑星探査に送り出された件──『われらはレギオン1 AI探査機集合体』 - 基本読書
  • 過小評価されてきた進化──『進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来』 - 基本読書

    進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来 作者: マット・リドレー,大田直子,鍛原多惠子,柴田裕之,吉田三知世出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/09/21メディア: 単行この商品を含むブログ (2件) を見る読み始めた時は、マット・リドレーによるインテリジェント・デザイン(ID)論への過剰な反論、いわばドーキンスの『神は妄想である―宗教との決別』に相当する「それだけ強い言葉を使う必要のある状況なんだろうけど、日読者からするとピンとこないなあ」的ななのかと思っていたのだが、最後まで読むとだいぶ印象が異なる。 進化は私たちの周りのいたるところで起こっている 主張は至極シンプルな、『進化は私たちの周りのいたるところで起こっている』というものだ。ようは「みんな人間が意図的にデザインしたといろんな物事を捉えたがるけど、偶然やそこから結果的に生き残った自然淘汰の力を過小評価

    過小評価されてきた進化──『進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来』 - 基本読書
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