社会学, 法 | 17:54 | 昨年だったかNHKで永山則夫を扱ったドキュメンタリーを放映していて、久しぶりに本棚から永山則夫「無知の涙」と見田宗介「まなざしの地獄」を引っ張り出して読み直したことを思い出した。 最初にこれらの本を読んだとき、知人に薦めたところ「いやいいよ読まなくて」「なんでそんな本読んでるんだ気持ち悪い」と言われたことも。 説明が必要かどうかは微妙なところだが、永山則夫といえば、あの有名な「永山基準」と呼ばれる死刑判決の基準が示されることとなった連続射殺事件の死刑囚である。 「無知の涙」は、逮捕時点では識字能力を持たぬサヴァルタンであった永山が、長い留置生活の中で独力によってそれを身につけ、そして膨大な読書歴を積んでいくうちに己の罪をマルクス主義によって自己規定していく様を克明に記したひとつの記録である。 「まなざしの地獄」とは、そんな永山の罪と罰を、社会学者