海底からコアサンプル(パイプを使って柱状採取した地質試料)を引き上げながら、研究チームは、数千万年前の古代生物の残骸である不気味なほど白い石灰岩に目を注いでいた。すると、ふいにくっきりとした分かれ目が表れたかと思うと、その後に黒い層が続いた。 月の地表7センチ下に大量の水 NASA探査機が発見 「上の層とはまるで違っていました」と、米テキサス大学オースティン校の研究者で、調査の共同チーフを務めるショーン・ギューリック氏は言う。 この突然の変化こそ、地球の歴史上、有数の大災害があったことを示している。今から6600万年前、メキシコのユカタン半島沖に巨大な小惑星が衝突した。この衝突によって引き起こされた悪夢のような連鎖反応は、動植物種の75パーセントを絶滅に追いやった。そして、絶滅した中には、すべての非鳥類型恐竜が含まれていた。 海底から採取したコアサンプルを様々な手法を用いて調査することで、