日本では今やほとんどの車がオートマチックトランスミッション(AT)を採用している。かつてクラッチペダルを持つ3ペダルのマニュアルトランスミッション(MT)車が主流だった時代を思えば隔世の感がある。 ただし、MT車にもメリットがないわけではない。システム構造から従来は伝達効率でも優れていると言われ、エンジンのパワーを自在に操れるという長所もある。 そんなMTとAT、双方の“良いとこ取り”をした第3の変速機として2000年代以降、注目を集めたのがDCT=デュアルクラッチトランスミッションだ。 MTをベースとしながらクラッチペダルを廃したことで操作の煩わしさは皆無。燃費などの実用面やMT譲りのダイレクトさも持ち合わせているとあって、“マニュアル派”の救世主として大いに期待された。 ……が、日本ではフィットとその派生車種に採用されたぐらいで、こと大衆車に限っては普及が進んでいない。欧州では今後も伸