日産自動車が主力4工場の操業停止に追い込まれた。日立製作所の部品納入が遅れたためで、背景には半導体の需給逼迫(ひっぱく)があるとみられる。 災害以外の原因で操業が停止するのは極めて異例で、今後は補償問題も浮上しそうだ。世界的な需要回復が進む中、必要な部品を確保するリスク管理態勢が問われている。 スイス大手減産が波及 ■新興国で需要急増 「2日に半導体メーカーから突如、減産を通告された」。12日夜に緊急記者会見した日立オートモティブシステムズの本田恭彦専務は窮状を説明した。 日立側は、エンジン制御ユニット(ECU)に必要な特注のIC(集積回路)を、スイスの大手半導体メーカー、STマイクロエレクトロニクス1社から調達していたことが13日明らかになった。ICは7月に日産が必要とする12万個のうち2万個が不足した。日産の減産台数は国内1万5000台、北米向け5000台程度になる見込みだ。8月分も必