累計発行部数が1億2000万部を超える人気マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」が、誕生から35周年を迎えた。1部から8部まで、世代を超えてファンに愛される「ジョジョ」。作者の荒木飛呂彦さん(61)が取材に応じ、ジョジョが生まれた経緯や「幽波紋(スタンド)」誕生の裏話、作品に隠されたテーマなど、とっておきのエピソードを語った。「荒木ワールド」を2回にわたり紹介する。 東京都内のマンションの一室。資料が並ぶ書棚、年季の入った大きな作業机、隙間(すきま)には、オーディオセットがはめ込まれている。そこが「ジョジョ」ストーリーが紡がれる現場だ。 「もう、古いですよ。ずっとここです。アトリエっぽくしたくないんですよね。画板も30年ぐらい使ってる」。てらいのない調子で荒木さんが表情を崩した。原則、平日の午前11時から午後11時まで、荒木さんはずっとジョジョを描いている。 「ジョジョ」は、ジョジョとディオを巡る