正社員も派遣社員も自動車や電機の工場のラインでは、ほとんど同じ仕事をしている。雇用形態が違うだけだ。だから、企業の本音は、工場のラインなら「すべて派遣社員でもいい」のだ。先日の日本テレビ「派遣切り ニッポン失業危機を救え」という討論番組の中で、企業側代表の出井伸之(元ソニー会長兼CEO、元経団連副会長)がそう本音を口走っていた。 不況で、ラインをストップするなら、正社員も派遣社員も、企業にとっては無駄なコストだ。ラインを動かすときに、トヨタのカンバン方式のジャストインタイムで部品と同じように再び労働力を調達すればよいのである。 ラインがストップするときには、設備も労働力もすべてが無駄なコストになる。派遣労働の規制強化をするなら、日本企業は海外に工場移転するなどという話はありえない。ラインがストップしている工場を海外に移転させて一体何の得があるというのか? 企業、経団連の狙いは、海外移転をす