自らが繊細で傷つきやすいという自覚のある人間は、人と接するときに、目の前の人に心を向けてはいけない。心を向けるかわりに、目だけを向け、目の前の人を見るべきである。決して目の前の人を感じてはいけないのだ。 特に目の前の人が、強い感情や強い想念を持っているとき、それらを感じてしまうことは危険である。冗談かと思われるかもしれないが、強い感情や強い想念は伝染する。 だから目の前の人が怒っていても、一緒になって怒ってはいけない。ただそれを見ているのがよい。 目の前の人の感情や想念を心で感じ、トレースしてしまった時点で、私は我と彼の区別をつけることに失敗している。いつの間にか、その感情や想念が、自分のものとしてしか感じられなくなっているのだ。それらは私の中で、新たな強い感情や、未解決の問題を掘り起こし、混乱を引き起こすだろう。強い感情はエネルギーを消費させ、混乱は、不安や怒りを引き起こす。これは、自分