憲法を改正して自衛隊を「国防軍」とするなどとした自民党の衆院選政権公約に対し、民主党が批判を強めている。 自民党を「タカ派」と位置づける一方、自らは「ハト派」と差別化を図る戦術のようだ。ただ、野田首相(民主党代表)の持論はもともと「自衛隊は軍隊」であり、「選挙目当ての変節だ」との指摘も出ている。 首相は26日の名古屋市での街頭演説で、「今、国防軍を語る向きもある。機能は(自衛隊と)どう違うのか。名前だけ変えるのかよく分からない」と訴えた。愛知県豊明市では「私たちは、右傾化競争とは一線を画したい」と演説し、自民党や、「タカ派」の石原慎太郎前東京都知事が代表を務める日本維新の会との違いをアピールした。 首相には、憲法改正に否定的な勢力だけでなく、穏健な保守層も取り込もうとする思惑がある。25日のテレビ朝日番組では「憲法改正、9条は争点とは思わない」とも明言した。党幹部も自民党批判を強めており、