時代を読み解く「軸」を持つには、どうすればいいか。国際政治学者の三浦瑠麗氏は「時代の問いに、時代の言葉で答える」という目的のために「政治学」を用いる。今回の衆院選について、三浦氏は「諸外国と同じく、日本でも『センターライト(中道右派)・ポピュリズム』の存在感が増している」と分析する。今後日本はどうなっていくのか――。 総選挙の対立軸 選挙を間近に控え、どの候補者に、あるいはどの党に投票するか案じている人も多いのではないでしょうか? 本稿では、私なりに今回の選挙をどう見ているかお伝えしたいと思います。 総理が解散に打って出る観測が高まったころ、私は、総選挙の対立軸は改憲問題であると言っていました。与党及び改憲勢力が衆参で2/3の議席を占めながら、改憲の具体的な論議は進んでいなかったからです。その停滞感は、本年5月に9条3項加憲、自衛隊明記の総理私案が提示されて以降も変わりませんでした。特に、