別居中の妻が無断で受精卵を移植し、長女を出産したとして、東京都内に住む40代の男性が、生まれた子どもは嫡出(ちゃくしゅつ)子でないことを確認する訴訟を大阪家裁に起こした。男性は「自分の子かわからない」とも訴え、「親としての責任を課されるのは過酷だ」としている。 提訴は昨年12月20日付。訴状によると、男性は妻との関係が悪化し、2014年4月に別居した。その際、妻は「人工授精に協力する義務がある」と精子提供を求め、男性は受精卵の母体への移植には自身の承諾が必要だと思い、「妻を落ち着かせるため」と応じた。ところが妻は15年4月、無断で同意書に男性の名前を署名して医療機関に提出し、16年1月に長女が生まれた。 男性は訴状で「精子は妻に渡された容器に入れ、喫茶店で提供した。医療機関で採取しておらず、本当に自分の子か疑問だ」と主張。同意書は偽造であり自己決定権を侵害されたとし、DNA型鑑定で生物学的