ソレイマニを英雄とたたえるのはイラン体制派だけ(レバノン) MOHAMMED HAMOUDーANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES <米軍に殺害されたクッズ部隊司令官は、アラブ諸国で「虐殺者」と恐れられてきた> イラン革命防衛隊「クッズ部隊」のガセム・ソレイマニ司令官が米軍機の攻撃によりイラクの首都バグダッドで殺害されたことは、日本でも大きく報じられた。日本メディアの多くは彼を「イランの英雄」と紹介し、米トランプ政権を非難した。 だがソレイマニを英雄とたたえるのは、イランの体制派のみである。イランには国内外に自由化・民主化を求める分厚い層の反体制派がいる。彼らにとってソレイマニは、抑圧的独裁政権の暴力的側面の象徴だ。 イラン・イスラム共和国は1979年、「イスラム革命」で親米政権を打倒することにより誕生した。共和制を取りつつも基本的にはイスラム教シーア派のイデオロギーに立脚