漫画版(以後、小畑キル。原作に近しいと言われる)と映画版(以後、トムキル)の違いは、それこそ、日米の創作物のありかたの違いのように感じた。 トムキルはハリウッドのシナリオ技法の教科書のような出来だと思う。 三幕構成というか。この辺までに物語のルールを決めて、挑戦させ、挫折させ、みたいな基本どおりの流れを、あの手この手でキッチリ全てに見所を用意して魅せる。 パシフィックリムもそうだったし、ピクサーのアニメもそう。マトリクスも。 この辺の万人に受けるかどうかのABテストを繰り返したようなシナリオ(実際ABテストをやることも多い。エンディングを複数作って試写会、ウケの良かったものを上映するとか)は、さすが世界に向けて商売してるなと感じる。 ソシャゲ的だなという感想すら出る(ジンガのゲームはABテストのカタマリ)。 翻って、小畑キルは、わりと作家性を濃く感じさせる。構成自体もそうだし。変化球のキャ