基本的にハードカバーの本は(収納場所がないので)図書館で借りて済ますタイプなので、この本もそうしたのだけれど、三分の一ほど読んだところで「これはどうしても手元に残さなければならない」と脅迫にも似た思いがしたので、慌てて購入しました。 いやほんと、声を大にして言いたい、とてもよかった! 「SweetBlueAge」で先に発表されていた「辻斬りのように」もいい加減鮮烈すぎたけど、これもまあ素敵に凄い。七竈の髪と、鉄道の「黒」、七竈の膚と旭川の雪(とマフラー)で「白」、七竈の唇と本物のほうの実と(雪風のマフラー)で「赤」。とてもモノクロームで昔風だ。都会の土気色だとか後輩のパステルがたまに近寄ってくるけれども、あまりの潔さに混ざる事ができない。遠巻きに眺めるだけ、だけれどあちら側から見ると眺められるだけ。ぶしつけに眺められるだけ。 美しい七竈、美しい雪風、善良な祖父、美しいシェパード、そして黒々