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2018年7月1日のブックマーク (2件)

  • 絢爛なイメージと戯れよ 山尾悠子、皆川博子、澁澤龍彦……「幻想文学」再注目の理由は?|好書好日

    伝説の作家・山尾悠子の新刊『飛ぶ孔雀』(文芸春秋)が5月に刊行され、話題を呼んでいる。山尾悠子は1975年のデビュー以来、寡作ながら純度の高い幻想小説を発表し、熱狂的な読者をもつ作家だ。8年ぶりとなる長編『飛ぶ孔雀』は、〝火が燃えにくくなる〟という現象が蔓延した世界を舞台に、夢とも現ともつかないエピソードが綴られる連作集。 作品を特徴づけているのは、エンターテインメントの常識には収まらない非直線的なストーリー展開と、硬質で密度の高い文体だ。その世界はどこまでも奥深く、全貌を見通すことなどできないのだが、火を盗みに舞い降りる孔雀や、地下に広がる公営浴場など、絢爛なイメージと戯れるだけでもじゅうぶん楽しい。「ホラー」や「ファンタジー」より、ちょっと古風に「幻想文学」と呼んでみるのがしっくりくる小説だ。 さて。思い返してみるにここ数か月、幻想文学関連の注目が相次いで刊行されていたのだった。たと

    絢爛なイメージと戯れよ 山尾悠子、皆川博子、澁澤龍彦……「幻想文学」再注目の理由は?|好書好日
  • 「幻の作家」山尾悠子さん1万字インタビュー 幻想小説というレッテルなら作家でいられるかも |好書好日

    文・写真 山崎聡 火が燃えにくくなった世界を舞台に、前半部「Ⅰ 飛ぶ孔雀」と、書き下ろしの後半部「Ⅱ 不燃性について」からなる連作長編。前半部の主舞台は、蛇行した川のなかにある川中島Q庭園。天守閣を借景とした4万坪の池泉(ちせん)回遊式庭園で真夏の大茶会が開かれ、多くの人々が集う。濃い緑の芝に緋毛氈(ひもうせん)と野だて傘。夜は電飾で一面が光の海と化し、パレードの楽隊が大音量で行進する――。散文詩のような文体でつづられる光景が、徐々に物語の予兆をはらむ。 ――『飛ぶ孔雀』の前半部は自身初めての文芸誌掲載でした。 私は40年ぐらい前に(執筆を)スタートした人間で、途中で育児休暇みたいなブランクが長かったりするんですけれども、とにかく40年前に世に出た時といまとは、まったく状況が違っていたんですよね。たまたまご縁があってSFの場所から出たのですけれど、ほぼ最初に書いた「夢の棲む街」がSF専門誌

    「幻の作家」山尾悠子さん1万字インタビュー 幻想小説というレッテルなら作家でいられるかも |好書好日