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ブックマーク / book.asahi.com (7)

  • 絢爛なイメージと戯れよ 山尾悠子、皆川博子、澁澤龍彦……「幻想文学」再注目の理由は?|好書好日

    伝説の作家・山尾悠子の新刊『飛ぶ孔雀』(文芸春秋)が5月に刊行され、話題を呼んでいる。山尾悠子は1975年のデビュー以来、寡作ながら純度の高い幻想小説を発表し、熱狂的な読者をもつ作家だ。8年ぶりとなる長編『飛ぶ孔雀』は、〝火が燃えにくくなる〟という現象が蔓延した世界を舞台に、夢とも現ともつかないエピソードが綴られる連作集。 作品を特徴づけているのは、エンターテインメントの常識には収まらない非直線的なストーリー展開と、硬質で密度の高い文体だ。その世界はどこまでも奥深く、全貌を見通すことなどできないのだが、火を盗みに舞い降りる孔雀や、地下に広がる公営浴場など、絢爛なイメージと戯れるだけでもじゅうぶん楽しい。「ホラー」や「ファンタジー」より、ちょっと古風に「幻想文学」と呼んでみるのがしっくりくる小説だ。 さて。思い返してみるにここ数か月、幻想文学関連の注目が相次いで刊行されていたのだった。たと

    絢爛なイメージと戯れよ 山尾悠子、皆川博子、澁澤龍彦……「幻想文学」再注目の理由は?|好書好日
  • 「幻の作家」山尾悠子さん1万字インタビュー 幻想小説というレッテルなら作家でいられるかも |好書好日

    文・写真 山崎聡 火が燃えにくくなった世界を舞台に、前半部「Ⅰ 飛ぶ孔雀」と、書き下ろしの後半部「Ⅱ 不燃性について」からなる連作長編。前半部の主舞台は、蛇行した川のなかにある川中島Q庭園。天守閣を借景とした4万坪の池泉(ちせん)回遊式庭園で真夏の大茶会が開かれ、多くの人々が集う。濃い緑の芝に緋毛氈(ひもうせん)と野だて傘。夜は電飾で一面が光の海と化し、パレードの楽隊が大音量で行進する――。散文詩のような文体でつづられる光景が、徐々に物語の予兆をはらむ。 ――『飛ぶ孔雀』の前半部は自身初めての文芸誌掲載でした。 私は40年ぐらい前に(執筆を)スタートした人間で、途中で育児休暇みたいなブランクが長かったりするんですけれども、とにかく40年前に世に出た時といまとは、まったく状況が違っていたんですよね。たまたまご縁があってSFの場所から出たのですけれど、ほぼ最初に書いた「夢の棲む街」がSF専門誌

    「幻の作家」山尾悠子さん1万字インタビュー 幻想小説というレッテルなら作家でいられるかも |好書好日
  • 【レビュー・書評】ヨーロッパの形―螺旋(らせん)の文化史 [著]篠田知和基 - 書評 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    ヨーロッパの形―螺旋(らせん)の文化史 [著]篠田知和基[評者]横尾忠則(美術家)[掲載]2010年11月28日 ■「ヘンテコリン」の謎解けた ジョルジュ・デ・キリコが形而上(けいじじょう)絵画の時代を終えて、晩年近くに新形而上絵画を確立するが、この絵画作品に頻繁に登場するヘンテコリンなオブジェがある。巨大なS字形にねじれたオブジェで、その両先端がペロペロ飴(あめ)みたいに内側に渦を巻いている。そんな形象が建物に寄りかかっていたり、画面の両サイドから門柱のように出っぱっていたりする謎の造形物だ。 ところがローマでキリコの家を訪ねた時、その謎が解けた。そのヘンテコリンな原型はバルコニーの鉄の柵(さく)の装飾の一部だったのである。実はこの螺旋(らせん)とも渦巻きともとれる唐草模様に似た形こそヨーロッパの精神の核をなす象徴的なフォルムであったということを、僕は書で初めて知った。 そういえばヨー

  • asahi.com(朝日新聞社):〈本の舞台裏〉「越前魔太郎」で競作 - 出版ニュース - BOOK

    の舞台裏〉「越前魔太郎」で競作[掲載]2010年4月11日 ライトノベルの世界でいま勢いがある「講談社ノベルス」と「電撃文庫」(アスキー・メディアワークス)という二つのレーベルが手を組んで、謎の覆面作家をデビューさせた。 その名は、越前魔太郎。やはり正体不明の作家として知られる舞城王太郎が、映画の原案のために創造した人気作家の名前をもらった。 越前魔太郎は講談社ノベルスが6日に刊行した『魔界探偵 冥王星O(オー) ヴァイオリンのV』、電撃文庫が10日に出した『魔界探偵 冥王星O ウォーキングのW』でお披露目され、8月までに合わせて6作品を刊行する。 凝っているのは、6作品はすべて別の作家が書くこと。越前魔太郎は6人いるわけだ。「ライトノベルの世界では有名な作家たち。正体を明かした方が何倍も売れる人たち」らしい。 両者のコラボレーションは、出版界を元気にするための「祭り」という。この競作

  • 【レビュー・書評】天地明察 [著]冲方丁(うぶかた・とう) - 売れてる本 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    天地明察 [著]冲方丁(うぶかた・とう)[掲載]2010年1月31日[評者]斎藤環(精神科医)■キャラ全開 堂々時代小説 冲方丁といえば2003年に『マルドゥック・スクランブル』で第24回日SF大賞を受賞した新進気鋭だ。漫画原作やゲームライトノベルの書き方指南も手がけるメディアミックス展開も、SF者なら納得がいく。それだけにこの新作には完全に意表を突かれた。なんと時代物である。 これが実に堂々たる時代小説で、しかも圧倒的に面白い。474頁(ページ)にも及ぶ長編を、引きこまれるように一気に読んでしまった。 主人公の渋川春海は、江戸時代前期に実在した人物で、囲碁の名人にして算術に長(た)け、天文暦を専門としつつ神道にも通ずるという、大変な才人だ。それまで日で採用されていた「宣明暦」の不正確さを指摘し、その生涯を賭して初の国産暦である「大和暦」(のちの「貞享暦」)を作り上げた。 正確な暦を

  • asahi.com:私は「星の王子さま」を撃墜した ドイツ元操縦士証言 - 出版ニュース - BOOK

    私は「星の王子さま」を撃墜した ドイツ元操縦士証言 2008年03月16日 童話「星の王子さま」で知られるフランスの作家アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ(1900〜44年)が最後に操縦していた飛行機は、ドイツ軍戦闘機に撃墜されていた−。15日付の仏紙プロバンス(電子版)は、戦闘機に乗っていた元ドイツ軍パイロットの証言を報じた。 証言したのはホルスト・リッパートさん(88)。第二次大戦中の44年7月31日、南仏ミルの飛行場を出発、トゥーロン付近でマルセイユ方向へ向かう米国製P38ライトニング戦闘機を発見した。 「接近して攻撃を加え、弾が翼に命中した。機体は一直線に海へ落ちた。機内からは誰も飛び出さず、パイロットは見なかった。それがサンテグジュペリだったことを数日後に知った」と同紙に語った。 リッパートさんは「サンテグジュペリの作品は大好きだった。彼だと知っていたら、撃たなかった」と話した。

  • asahi.com:カレル・チャペック短編集 [著]カレル・チャペック - 書評 - BOOK

    カレル・チャペック短編集 [著]カレル・チャペック [掲載]2008年02月03日 チェコの国民的作家カレル・チャペック(1890〜1938)の、初期の頃から死の当年までの作品16編を、非系統的に選んだという短編集。老人が少年時代にけんか別れした親友を思い、あったかもしれないもう一つの人生を渇望する「切手コレクション」。現実の裁判より魅惑的な裁判事例を法廷記者に語っている男が、作り話の妥当性を証明しようと訴訟を起こす「ハヴレナ氏の鸚鵡(おうむ)裁判」など。ユーモラスな筆致で、人間の弱さ、愚かさをも温かく描く。 ◇ 田才益夫訳 カレル・チャペック短編集 著者:カレル・チャペック 出版社:青土社 価格:¥ 1,470 この商品を購入する|ヘルプ Amazon.co.jp セブンアンドワイ 楽天ブックス 紀伊國屋書店BookWeb やタウン

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