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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (69)

  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 【どくいり】骨餓身峠死人葛【きけん】

    (このエントリにはエログロな描写がありますよ。それから、下品ですよ) 久しぶりに猛毒にあたった!「これはひどい」と「これはすごい」の両方の賛辞を贈る。それから、この短編のせいで女陰を直視できなくなった。この強迫観念は、既視感覚を伴いながらトラウマ化しつつある。おそろしい、おそろしい。 お題は「ほねがみとうげほとけかずら」と読む。屍体に寄生して養分を吸い取る葛(かずら)の話だ。わずか30分で読めてしまう短い小説にもかかわらず、これは、一生涯忘れることができない。忘れたい、記憶から消し去りたい ―― めずらしく読んだことを激しく後悔する毒書になった。 なまぐさい臭いが漂ってくる。文体と描写と(脳にうかぶ)ビジュアル映像が濃密に絡み合っていて、呼吸を忘れて読みふける。血しぶくシーンや、兄妹の近親相姦だけがなまぐさいのではない。男を求めて濡れて白くひかっている女陰の臭いがハッキリと嗅ぎ取れるんだ。

  • 図書館を利用するようになるまでの20ステップ

    昔はアンチ図書館派、「は身銭を切って買うもの」と激しく思ってた。 棚に二段、三段と詰め込む(奥が単行、手前を文庫にすると両方見える) 床に積む(最初はタワー乱立→そのうち山脈のようになる:いわゆる積ン読ク山) カラーボックスを押入れに積んで、押入れを棚化する ダンボールに詰め込んで、押し入れに入れる(縦に入れるのがミソ) (積ン読ク山で)ドアが開かなくなる 床が見えなくなる(正確に言うと、床の色を思い出せなくなる) ちょっとした地震でが凶器になる。位置エネルギーの破壊力を思い知る:棚【の上】にを積んではいけないことに気づく 押入れの底が抜ける 床が抜ける イナバの物置を買う 近所に家を借りて置き場(≠書斎)にすることを考える(が、もったいないのでその金を代につぎ込む) トランクルームを借りるが、カビさせる(このへんで背が見えるように保管しないと持ってても意味がないことに

    図書館を利用するようになるまでの20ステップ
    hazy-moon
    hazy-moon 2006/09/07
    うーん、でも近場の図書館がしょぼくてなぁ……。
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 本を探すのではなく、人を探す

    長くなりすぎたこのエントリのレジュメ:選の肝はではなく、人を探すこと。わたしが知らないスゴは、それこそ百万冊ある。そのそのものを探すのはとても難しい。しかし、百万冊のスゴは間違いなく誰かに読まれている(それは"あなた"かもしれない)。だから、スゴを読んでいる"あなた"を探す。このblogの究極目的も、そう。 メールやコメントでいただいた、以下の質問に答えてみる。誰かの参考になれば。 【質問】 Q1 たくさんを読んでるようですが、速読をやっていますか? Q2 あるいは読書術のようなものはありますか? Q3 読むはどうやって探していますか? 【回答】 A1 速読を練習したことありますが、実践してません A2 「目的を持って読む」に尽きます A3 ではなく、人を探します は目的を持って読む あたりまえだとツッコミがくるだろうが、わたしはできていない。漫然と読んでるとあっという

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 本を探すのではなく、人を探す
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 面白い小説を見つける3つの方法

    わたしのやり方。誰かの参考になれば。 まず「面白い小説」の定義。以下のいずれかの条件を満たせばOKとしようか。 ・イッキ読みされる小説 (= page turner というやつね) ・「わたし」の趣味に近い but 「わたし」の知らない小説 方法1:図書館で探すときは、の「背」に注目する 「趣味読書」を自慢する人に限って図書館を利用しない。書店の平積みを渉猟するだけで満足する。当に好きでたまらない人は、図書館を利用せざるを得なくなる。なぜか? 図書館を使わないと、床が抜けるから。あるいは生活できなくなるから。読書は「量」だ。多読せずに「面白いない?」と言う資格なし。図書館使えば10冊/週も可能。「読む時間ない」とは言い訳。時間とは創る物。それに値しないしか知らないからそんなこと言ってる。 書店はどうする? ありゃ「出会い系サイト」と同じで、新たな出会いのために訪れるもの。第一印象

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 面白い小説を見つける3つの方法
  • 警告無しで読むには酷な小説

    あるいはトラウマについて。sagara17さんにとっての劇薬小説「電話がなっている」(川島誠)を読了。中学んときに読んだらトラウマになってたかも。けれどもスレっからしのオッサンには歌取のモトをあれこれ想像して楽しんでしまった。sagara17さん、興味深いをありがとうございます。 罪深いのは、この作品の紹介→「だれかを好きになった日に読む」(小学中級から)であること。初恋の回想で始まるこの作品、たしかに恋愛譚かもしれないが、そのつもりで読んだら酷い目に遭う。紹介者は"大人"なんだろうがデリカシーなさすぎ…というか悪意すら感じられる。小中学生は"当事者"だろうがッ。 トラウマとは、読んだ事実そのものを消し去りたいほど手ひどいダメージを受け、名前を見るのもイヤになった作品のこと。「劇薬小説」とも重なるが、児童文学や青春小説のフリをしている場合が多く、トシゴロの方は【警告付き】で読む

    警告無しで読むには酷な小説
    hazy-moon
    hazy-moon 2006/03/08
    「隣の家の少女」が「もう一つのスタンド・バイ・ミー」って宣伝文句は詐欺じみてるなぁ。「裏スタンド・バイ・ミー」なら可。
  • 「幼児狩り」感想とょぅι゛ょ小説リスト

    (この記事18禁) 可愛らしいものを愛でるとき、「べてしまいたい」と形容することがある。あるいは、激しくシた後、相手から「喰われるかと思った」と言われることがある(来は逆なのだが)。 いずれも比喩だが、実践する人はまれ。 仮にやっちゃう人がいるなら、その人がどう狂っているのか(あるいは切実なのか)が、「幼児狩り」で見える。いや、喰いはしない。あくまで女の妄想+比喩的な書き方で示されるだけで、実行には至らない。 それでも彼女の昂ぶりは痛いほど伝わってくる。幼い少年に夢中になる三十路女の気持ちが。「理解できる」「共感できる」には到底ならないが、一読すると、まるで彼女のようにせっぱ詰まって稚き少年を「喰ってしまいたい」気持ちに同化できる。少年の手にあるスイカにかぶりつくシーンはものすごく比喩的。喉が渇いてくること請合う。 愛しいものを「べてしまいたい」衝動は誰しも持っている。愛しい恋人・

    「幼児狩り」感想とょぅι゛ょ小説リスト
  • 少女怪談【;゜Д゜】怖い

    冬なのに怪談。ょぅι゛ょ小説でも読んでみるかと手にしたのが「少女怪談」。大槻ケンヂ、森村誠一、高橋克彦、石原慎太郎 …となかなか面白い書き手のアンソロジーなのだが、ロリでハァハァ(;´Д`)するよりも、むしろ少女性が恐怖を際立たせていた。 肉体としての少女は不気味。少年の体に桜桃の乳首。いずれあちこち膨らんで柔らかくなるのだが、とてもその姿が想像できない。「少年性」と「母性」の双方を兼ね備え、どちらも馴染みがあるにもかかわらず、一つの体に併せるとグロテスクとしかいいようがない違和感がある。 霊性としての少女は恐ろしい。あどけない顔で残虐な行為(NEVADAたん?)。彼女の不安定さからくる不安がわたしに感染する。はつらつとした少女たちを見ていると、生の躍動感よりもむしろ、萎れる運命の「若さ」や破壊予定の「処女性」の喪失感の方が強い。 これが大人になると憑き物が落ちたみたいに普通になるから、ふ

    少女怪談【;゜Д゜】怖い
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: これから読む徹夜小説

    はてな「徹夜するほど面白かった小説を教えてください」[参照]のエントリからピックアップして、一作家一作品でリスティング。続けて読むと睡眠時間がゼロになってしまい、生活に支障をきたす(かもしれない)ので注意しながら読むつもり。 た・の・し・み ~ (^^ アドバイスいただいた皆さまに大感謝。はてなポイントじゃ足りないぐらい ■これから読む徹夜小説 永遠の仔(天童荒太) 第六大陸(小川 一水) ガダラの豚(中島らも) 傭兵ピエール(佐藤賢一) ゼウスガーデン衰亡史(小林恭二) 魔術師(J.ファウルズ) 北壁の死闘(ボブ・ラングレー) イヤー・オブ・ミート(ルース.L.オゼキ) スワン・ソング(ロバート.R.マキャモン) シャドウ・ダイバー(ロバート・カーソン) カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)米川正夫訳 /岩波文庫版 ■徹夜を覚悟・徹夜した小説 火車(宮部みゆき)某弁護士事務所では、新人

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: これから読む徹夜小説
  • 徹夜を覚悟する小説

    初読の作家でも読み始めると分かる、「こいつは徹夜を覚悟しないと」。前評判や導入部の『つかみ』、そしてそのものから立ちのぼる『におい』としかいいようのない予感から、冒頭の覚悟に至る。 さらに読み進めて気づく。あのとき感じた、 ああ、予感は物。眠気も吹き飛ぶ面白さ。明日の予定そっちのけ、この瞬間こそ全て。「スゴ=すごい」を血眼になって探すのは、この、読みながら吼えたくなる喜びを味わうため。 ええ、ええ、もちろん「ダ・ヴィンチ・コード」読んだのさ。もう無我夢中でイッキ読み。テーマは「暗号+歴史+陰謀」を重厚に描いているにもかかわらず、文字通り「読むジェットコースター」、幸せな数時間を過ごしたのでありました。 謎を解く鍵がフィボナッチ数列だったり黄金比だったり、どこかで聞いたことがあるトリビアが散りばめられており、読み手も一緒になって楽しめる。特にこの小説の表紙「モナ・リザ」の真の意味を知

    徹夜を覚悟する小説