タグ

ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (5)

  • 二年連続でヒューゴー賞・ローカス賞を受賞した、自省的な人型殺人警備ユニットの日常録──『マーダーボット・ダイアリー』 - 基本読書

    マーダーボット・ダイアリー 上 (創元SF文庫) 作者:マーサ・ウェルズ出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/12/11メディア: 文庫マーダーボット・ダイアリー 下 (創元SF文庫) 作者:マーサ・ウェルズ出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/12/11メディア: 文庫この『マーダーボット・ダイアリー』はマーサ・ウェルズのSFアクション連作中篇集である。上下それぞれに二篇の中篇が収められていて、特に上巻の「システムの危殆」はヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞の各ノヴェラ部門を授賞。続く「人工的なあり方」もヒューゴー賞、ネビュラ賞を授賞と(賞的な意味で)評価の高い作品。 それにこの創元文庫版は安倍吉俊のイラストもあいまって刊行がたいへん待ち遠しかったんだけれども、読んでみたらこれが期待通りのおもしろさ! 全篇通して自分のことを一人称で「弊機」を呼ぶ人型警備ユニット

    二年連続でヒューゴー賞・ローカス賞を受賞した、自省的な人型殺人警備ユニットの日常録──『マーダーボット・ダイアリー』 - 基本読書
  • デビュー作にして超ド級の傑作ハードSF──『ランドスケープと夏の定理』 - 基本読書

    ランドスケープと夏の定理 (創元日SF叢書) 作者: 高島雄哉出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/08/30メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る書『ランドスケープと夏の定理』は第5回創元SF短編賞を受賞した高島雄哉の、受賞作を端緒とする3編の連作短編集にして、単行のデビュー作になる。その作風を一言でいえばキャラ萌えが追加されたグレッグ・イーガン(いや、イーガン作品のキャラに萌えないってわけじゃないですよ!)、日作家でいうならば小松左京みたいなもんで、ちゃくちゃおもしろい。ぜんぜんデビュー作って感じじゃない。 21世紀後半を舞台に、22歳で教授になった天才物理学者の姉と、姉には及ばないものの優秀な弟が、世界を激変させる知性に関する3つの新しい定理を解き明かしていく──と、ざっくり表現すればそんな話になる。第一作「ランドスケープと夏の定理」では、”すべての

    デビュー作にして超ド級の傑作ハードSF──『ランドスケープと夏の定理』 - 基本読書
  • 読書によって夫婦の相互理解は深まるのだろうか?──『読書で離婚を考えた。』 - 基本読書

    読書離婚を考えた。 作者: 円城塔,田辺青蛙出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2017/06/22メディア: 単行この商品を含むブログを見る円城塔、田辺青蛙の小説家夫婦が、課題を出し合い交互にそのについてのエッセイを連載することによって、夫婦の相互理解につとめる──そんなコンセプトではじまったWeb連載が一冊にまとまったのが書である。かたや理系で、わけのわからない抽象的な小説を書くと評判の円城塔さん、かたやホラー・怪談作家で読むとしては実話に近いものを好む傾向がある田辺青蛙さんと、書くものも読書傾向もさっぱり合わない二人だが、はたして読書で相互理解は進むのか!? 攻撃としての相互理解 ……といえば、相互理解はなかなか進まない! そもそも好きなんか数百冊読むような人たちが集まったところでお互いの趣味領域が一致することは稀である。 その上、確かにスタート時点ではコンセプトが「読

    読書によって夫婦の相互理解は深まるのだろうか?──『読書で離婚を考えた。』 - 基本読書
  • 本を読んで己を強化し敵をぶち殺せ!!──『図書館大戦争』 - 基本読書

    図書館戦争 作者: ミハイルエリザーロフ,北川和美出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/11/26メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る1988年に人権を侵害する表現を規制するための「メディア良化法」が制定され、不適切と認定された創作物は良化特務機関によって取り締まりを受けるがその弾圧に図書館が声をあげる──、『図書館戦争』はそんな話ではない。 『図書館戦争』はある作家が書いたを、幾つかの条件を満たして読み終えると、凄く力が沸き起こってきたり記憶力がよくなったり権威がましたりする現象を用いて・奪い合う為に行われる戦争の話である。で殴りかかるわけではなく、ようは自己強化型マジック・アイテムを使ってロシアで行われる超能力者・抗争の話なのだ。 そのを書いた人間の名はドミトリー・アレクウサンドロヴィチという。まったく無名のままその生涯を終えた。合計五十万

    本を読んで己を強化し敵をぶち殺せ!!──『図書館大戦争』 - 基本読書
  • SFをもっと楽しむための科学ノンフィクションはこれだ! - 基本読書

    記事名そのまま。SFが好きなのに科学ノンフィクションを読んでない人をみると「現代の最先端科学なんて、どれもほとんどSFでめちゃくちゃ面白いのにもったいない!」と思う。こんなことを考えたのも昨日、オービタルクラウドを最近出したばかりのSFジャンルをメインに執筆している藤井太洋さんのASCII.jp:ITとともに生まれた産業革命に匹敵する質的な方法論 (1/4)|遠藤諭の『デジタルの、これからを聞く』 こんなインタビュー記事を読んだからだ。 藤井さんはデビュー作であるGene Mapperを含め、現代で可能な科学技術の延長線上に起こりえる地続きの未来描写が特徴的で、「今・ここにある技術の凄さ」が感じられるところが毎回凄いんだよなあとこれを読んでいて思い返していた。またそこで使われているアイディアは現代でもそのまま使えるものが多いし。技術的には現実が既にSFなのだ。 透明マントだって現実化して

    SFをもっと楽しむための科学ノンフィクションはこれだ! - 基本読書
  • 1