20世紀になるまで、世界中には過酷な労働を強いられる「奴隷」が当たり前のように存在していた。現代の人間からすれば、そんな時代に奴隷として生まれなくてよかったというところだが、古代ローマの奴隷に関していえば今のサラリーマンとそんなに変わらない、という話が話題となっている。 10月10日放送の「日立 世界ふしぎ発見!」(TBS系)で、古代ローマの遺跡が数多く残るイタリア・ポンペイが特集された。番組によると、ローマ時代は「人類史上最も豊かな時代」ともいわれている一方で、人口の4割を奴隷が占める状態だったという。 貴重な労働力として「生かさず殺さず」 そこで、日本のローマ研究の第一人者である東京大学の青柳正規名誉教授が、当時の時代背景について説明。「古代ローマにおける奴隷の存在」について聞かれ、こう語った。 「我々は奴隷というと、アメリカにおけるアフリカ奴隷が頭にある。しかし古代ローマの場合は戦争