首都圏に展開する家電量販店「さくらや」(本社・東京都豊島区)が2月28日までに、全店を閉鎖した。「安さ爆発」「親切接客」をキャッチフレーズに店舗を拡大したが、大規模な業界再編の波には勝てず、約64年の歴史に幕を閉じた。この日、東京・新宿3丁目店では、午後6時に閉店のシャッターがおりる中、従業員が「ありがとうございました」と涙のあいさつをした。老舗大型家電店の閉店に、過熱する家電戦争の一端が見えた。 この日、新宿3丁目店では最後の売り尽くしセールが行われた。残った家電などをすべて1階に集め、店頭表示価格よりもさらに割引で販売。フロアにはノートが置かれたが、多くの客が「すてきな店でした」「お疲れさまでした」などと思いを記していた。 午後6時の閉店直前、約60人の従業員が店頭やフロアに整列し、全員で深々と頭を下げた。男性従業員が「お客様へのサービスを、心半ばに終了することは、非常に残念で、大変申