先日、AP通信が発表した2011年の10大ニュースによると、米アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏の死去は選外となったようだ。しかし、私にとってはジョブズ氏の死去は東日本大震災に次いで大きなニュースだった。死後発売されたジョブズ氏の伝記を読んでなおさらその思いを強くしている。 「The Computer for the Rest of Us(取り残された人々のためのコンピューター)」を掲げて登場したアップル製のMac(マック)。パソコン未経験だった当時17歳の私にもすぐに使えるほどで、その衝撃は今でも忘れられない。ウェブの“祖先”であるマルチメディアソフト「ハイパーカード」と音声合成機能を使って英語の授業を受けることができるし、米国のパソコン通信網にも簡単にアクセスできる。ウィンドウズもまだ登場しておらず、PC-98が、呪文のような記号の羅列で操作されていた昭和末期の話である。ジョブ