ブックマーク / shirooo305.hatenablog.com (9)

  • ドローン撮影とアイドルMV、それとアニメについて - Paradism

    先日、現在六木にて開催されている櫻坂46の展示会『新せ界』にようやく行くことが出来ました。各衣装やCDジャケット、MVに至るまであらゆるコンセプトについて触れられ、それが形態を持って彼女たちの成長過程と共に記されたまさに圧巻の展示会でした。展示物の多さという点では決して大規模なものではないものの、その濃度とグループが目指すアーティスティックな演出は 「これが櫻坂だ」 と奥歯を噛み締めたくなるほどの空気感を醸し出していました。少しでも櫻坂というグループ、もしくはその前身である欅坂に興味がある方は是非行かれてみては。 と、そんな前置きをしつつ。その展示会のあるエリアの中に、個人的に少しだけ気になる記載がありました。それはMV『BAN』についての記載。「ドローン革命前夜」という文言でした。 いや、これも書かれている文章をしっかりと読めば、舞台として選ばれた兵庫県の施設が2000年に建設されてお

    ドローン撮影とアイドルMV、それとアニメについて - Paradism
  • アニメと自動販売機、その風情について - Paradism

    ぼっち・ざ・ろっく!』5話のワンシーンについて - Paradism 先日更新した記事でもふれた『ぼっち・ざ・ろっく!』5話における自動販売機前のシーン。少女の心奥底に隠された感情の一片 (ひとひら) を照らし、その輪郭を浮き彫りにする舞台装置として自販機という存在がここまで美しく機能するのかと驚かされたばかりですが、その一方で自販機と青春性ってなんでこんなにもマッチするんだろうな、ということについては結構考えさせられました。青白く光るライトに感じる淡さとか、それこそ思春期特有の内省と陰影の相性とか。その辺りをうまく利用していたのが作なのはもはや言うまでもないんですが、でもそれって別に自販機に限ったことでは決してないですし、光と影の演出という点において言えば幾らでもやりようはあったはずなんです。でもやっぱり自販機なんだよなって感じてしまう。そういう感情が心の片隅にきちんとある。それこそ

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  • 『ぼっち・ざ・ろっく!』1話の演出について - Paradism

    ファーストシーンにおけるままならさ、孤独感、色褪せた世界の質感。そこへひとりの語りも合わさることで、このシーンから彼女の出自や当時の感情を知るのはかなり容易なことであったように思います。"独り" であることへの屈とした想い。それを多角的な方面から演出するカメラワークやレンズ感。直接的に人の内面を画面に起こすことへの躊躇いは感じつつも、どのように描けばその内面をしっかりと伝えられるかに注力したフィルム。このアバンを前にしてはそう思わずにはいられないくらい、後藤ひとりという一人の少女の背景を非常に繊細に切り取ったシーンとなっていました。 例えば、スッとカメラの距離を離し、ロングショットで客観的に見た彼女の立ち位置を図ったり。マッチカットを使ったトランジションのシームレスさもそうですが、こういうカットの連続があるからこそ短い時間の中でもグッと受け手の感情を前のめりにしてくれるのだろうと思います

    『ぼっち・ざ・ろっく!』1話の演出について - Paradism
  • 『ぼっち・ざ・ろっく!』5話のワンシーンについて - Paradism

    「成長って正直なところよく分からない」。そんなひとりのモノローグと一連の流れから差し掛かるワンシーン。住宅街であろう道に煌めく看板と自動販売機の中を淡々と歩くぼっちの姿は、そんな変わり始めていく景色の中で心だけが追いついていかないその心境を鏡の如くそこへ映し出しているようでした。ひとりと自販機の関係を縦位置で映せば逆光となり、そういった意味性はより顕著に。単純に逆光とかコントラストの高い画面って情感が出て良いよねという話で済む場面でもあるのでしょうが、この作品がここまで通底し描いてきたことを踏まえれば、やはりそこには "感情的な何か" を感じずにはいられず、彼女の内面に対し視線を向けずにはいられなかったのです。 それは虹夏がやってきてからのカットでも同様でした。逆光で映すことに意味のあるカットの連続。もやっとしていたものにスポットが当てられていく感覚。今この瞬間だけは "そこ" について考

    『ぼっち・ざ・ろっく!』5話のワンシーンについて - Paradism
  • 『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』1話の演出について - Paradism

    ダッチアングルや広角レイアウトなど凝った画面が多く印象に残った1話。平凡な日常の一コマでも角度をつけ、位置関係、奥行きに拘ればそれだけで “何か” が受け手に伝わっていくことを知らしめるようなフィルムになっていたと思います。もちろん、どれだけの意図が含まれていたのかは図りかねるところですが、平坦なレイアウトではなくその世界に在るものを広く見せることで没入感を与える効果、現在がどういう状況にあるシーンなのかということを明瞭として伝える意味などはやはり大きかったはずです。 くわえて、ロングショットを頻繁に挟むことで、一人一人の物語へ焦点を絞っていくような質感がより今話の良さを引き立てていたと思います。ナメを使った画面の効果もあり、どこか覗き見るような、遠巻きに登場人物たちの行動や心の内を見透かしていくようなレイアウト・構図が情感を生み出していました。このシーンにおいては劇伴含め前者をドラマチッ

    『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』1話の演出について - Paradism
  • 『22/7 「あの日の彼女たち」』の演出について - Paradism

    光、音、レイアウト、芝居、台詞、時間。その枝葉まで如何なくコントロールされた繊細なアニメーションに衝撃を受けた『あの日の彼女たち』。二分にも満たない短編で描かれた作は少女たちの感情を寡黙に語らない一方で、映像の側面から各々の内面・関係性を描き、そっと彼女たちに寄り添っていた印象を受けました。 中でも光による画面コントロールは印象的に使われていたことが多く、特に滝川みう編から斎藤二コル編*1へと繋ぎ描かれたアンサーフィルムとも取れる相互の映像は非常に雄弁でした。レイアウトと影づけによる境界、撮影によってより誇張されるビジュアルの変化は何を語らずとも少女たちの輝きをそこに映し出しているようで唸らされます。二コルから見たみうの輝きと、そんな輝きを追い掛けんとする二コルが持つ別の輝き。世界が少女たちを祝福するかのような光は、まるでこの作品における彼女たちの可能性を描き出していたようにも感じられま

    『22/7 「あの日の彼女たち」』の演出について - Paradism
  • 劇場版『若おかみは小学生!』の芝居・身体性について - Paradism

    表情変化や歩き芝居に始まり、抱き寄せる芝居、ものを運ぶ芝居、屈む芝居、掃除をする芝居など、おおよそ生活の中で見られるであろうアニメーションを徹底して描き出した今作。日々人が営む中で起こす動きを描くというのは非常に難しいことですが、それを終始高いレベルでここまで快活に描いていたことにとても驚かされました。加えて、そういった数多くの芝居が物語に寄与していたものは計り知れず、鑑賞後はこの作品が劇場アニメとしてのスケールでTV版とは別に作られた意味を思い知らされたようでした。*1 なぜなら、両親を失くし、祖母に引き取られた先で若女将として経験を積んでいく主人公のおっこがその過程で見せた懸命さも、失敗も、時に見せる子供らしい表情もその全てがとても生き生きと表現されていたからです。着物のシルエットや姿勢、いわゆるフォルムとその動かし方や、それらを内包した生活アニメーションの巧さは前述した通り当に素晴

    劇場版『若おかみは小学生!』の芝居・身体性について - Paradism
  • 『こみっくがーるず』と徳本善信さんの演出について - Paradism

    *1 1話序盤から目立っていたロングショットでの芝居。静かに始まる導入と各々が寮へ集まる過程をじっくりと描いていたのが素敵で、とても引き込まれる演出だったと思います。fix、長回しで遠くから二人を見守るようなカメラ位置は、さながら下校する二人の時間をありのまま切り取る映像そのもので、そういった彼女たちの日常的な風景をしっかりと捉え描くことがフィルムに漂う情感の一因になっていました。話の冒頭がこれほどまでにエモーショナルだったのは、劇伴などの効果を踏まえてもやはりそういった映像の影響が大きいように感じられます。 バスト・アップショットなども使いますが、やはり引きの絵が強い冒頭。限界まで引いたような絵からフルショットほどの距離感まで魅力的な構図・レイアウトを使っていたのが非常に良かったです。寮の門を潜り引き戸を締める芝居も、この距離感で描くことに侘び寂びの趣きがあり、間や情感の介在する素敵な

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    heavenward
    heavenward 2018/05/17
    勉強になる
  • 『ジブリールシリーズ』から『猫物語』への系譜 - Paradism

    昨晩放送された『物語(白)』のOPが素晴らしかったわけですが、そのディレクターを担当していたのがなんとURAさん。美少女ゲーム・エロゲをそれなりに嗜んでいる方なら多くの人がその手によって手掛けられたデモムービーを視聴したことがあるのではないかと思いますが、その手腕はTVアニメという映像表現の場においてもいかんなく発揮されていたように感じます。 www.youtube.com 有名なのは数あるパロディ動画を生み出した『いただきじゃんがりあんR』のOPが顕著ですが、特に『物語シリーズ』でキャラクターデザインをしている渡辺明夫さんとのタッグでは『魔界天使ジブリール4』『戦国天使ジブリール』などのジブリールシリーズの他、同社作品のグリザイアシリーズのOPなども同様に手掛けており、どの映像も素晴らしいクオリティとなっています。その中でも個人的に一番気に入っているのがこの『魔界天使ジブリール4』のO

    『ジブリールシリーズ』から『猫物語』への系譜 - Paradism
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