「自民党300議席」。メディアがいっせいに報じた総選挙の予測記事に、驚いた人は少なくありません。消費税、原発、集団的自衛権、沖縄新基地…。どの問題でも国民は安倍政権にノーを突きつけています。それなのになぜ?▼はっきりしているのは、第1党有利に民意をゆがめる選挙制度の欠陥です。例えば、自民党が294議席を獲得した2012年総選挙での得票は、119議席と歴史的惨敗の09年総選挙と比べて、比例で219万、小選挙区で166万票減らしています▼しかし、12年は民主党が大きく崩れたため、1人しか当選しない小選挙区で相対的に浮上したにすぎません。今回もその効果の反映でしょうが、選挙の最中も内閣支持率が低下しています。国民に追い詰められている実態は変わりません▼重要なのは、有権者の4割強が投票先未定だということです。突然の解散でどの党を選ぶのか、決めかねているのです。ただ、「自民党に300議席も取らせてい