チコが若い頃は、ともかく天に昇るようなダイナミズムにあふれていて、どこに行ってしまうかわからないようなドライブ感がすごく強かった。実際に二度と戻って来られない状況から、2回ほど彼を助け出した覚えがある。今考えたら、どちらも近所で、彼がなにかやらかすかもとマークしていた場所だったので、割とすぐに見つけ出して、小さなトラブルで終わったが。 なんとなくだがなぜか『時をかける少女』の歌詞を思い浮かべたりした。今は、彼も歳をとり、そんな危なっかさはほとんど消えてしまった。 そして今、私が何日か戻らないようなフィールドに出かけていく前にチコの顔を見ると、彼の目は逆に私にそう言っているような気がしてならない。彼はいつからいつまで家に居ないのか知るすべはない。それは人間も終局的には何が起こるか分からず、同様ではあるが、本当にちゃんと家族が戻ってくるかを知るすべも。 この渡辺レベッカさんの英語のカヴァーは、