衆院選をめぐる一票の格差訴訟で違憲判決が相次いでおり、選挙無効の判決まで出ている。今回は、これを機会に争点となっている「一人別枠方式」について確認するとともに、その「廃止」によって引き起こされる問題について指摘しておきたい。 違憲とされた一人別枠方式 一票の格差は従来から問題となってきたが、近年の訴訟ではそのなかでも、とくに「一人別枠方式」と呼ばれる300選挙区の都道府県配分方式が争点となっている。2011年3月23日の最高裁大法廷判決では、同方式は違憲と判示されている。 この一人別枠方式では、300議席のうちまず47議席を47の都道府県に1議席ずつ分配する。そのうえで、残り253議席を最大剰余式という方式で各都道府県に比例的に分配する(*1)。この計算で分配された定数にもとづき、都道府県内を選挙区に分割する作業を区画審が行うことになる。 (*1)この最大剰余式での分配では、まず人口を25
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