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  • 在野に学問あり 第7回 山下ゆさん

    この連載は在野で学問に関わる人々を応援するものだ。 第7回は、ブロガーの山下ゆさんに話を聞く。新書ブログ「山下ゆの新書ランキング」は、新書業界においては知らぬものがいない。まさに「新書の目利き」として知られている人物だ。かく言う私も、屋に行った時に「この、そういえば山下ゆさんが9点って言ってたなぁ」と、新書を買ったことが何度もある。 ブログは2005年2月から、2022年現在まで週に1のペースで更新されている。政治経済や思想、歴史に関する新書から1冊を取り上げ、山下さん自身による10点満点の採点と、5000字以上にも及ぶ新書の丁寧な要約と書評を掲載する。 プロフィールの欄には「通勤途中に新書を読んでいる社会科の教員です」とある。 在野研究を考える上で、教員の存在は重要だ。例えば郷土史や生物分類学・生態学の分野では、地元で働く先生たちが研究者となり、大学や博物館と連携しながら、その一端

    在野に学問あり 第7回 山下ゆさん
  • 藤原辰史:パンデミックを生きる指針——歴史研究のアプローチ

    人間という頭でっかちな動物は、目の前の輪郭のはっきりした危機よりも、遠くの輪郭のぼやけた希望にすがりたくなる癖がある。だから、自分はきっとウイルスに感染しない、自分はそれによって死なない、職場や学校は閉鎖しない、あの国の致死率はこの国ではありえない、と多くの人たちが楽観しがちである。私もまた、その傾向を持つ人間のひとりである。 甚大な危機に接して、ほぼすべての人びとが思考の限界に突き当たる。だから、楽観主義に依りすがり現実から逃避してしまう——日は感染者と死亡者が少ない。日は医療が発達している。子どもや若い人はかかりにくい。1、2週間が拡大か制圧かの境目だ。2週間後が瀬戸際だ。3週間後が分水嶺だ。一年もあれば五輪開催は大丈夫だ。100人に4人の中には入らないだろう。そう思いたくなっても不思議ではない。希望はいつしか根拠のない確信と成り果てる。第一次世界大戦は1914年の夏に始まり191

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  • 在野に学問あり 第4回 辻田真佐憲さん

    第1回は荒木優太さん、第2回は吉川浩満さん・山貴光さん、第3回は逆卷しとねさんにお話をうかがった。第3回の更新が2019年の5月、おおよそ10か月ほど間が空いてしまった。 その間に荒木優太さんの編著『在野研究ビギナーズ』(明石書店)が刊行され、大ヒット。関連するイベントに何度か足を運んだが、質疑応答の時間も活発で、在野研究への注目度の高さがうかがえた。

    在野に学問あり 第4回 辻田真佐憲さん
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