千葉県房総半島沖で平成20年2月、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」が衝突し、漁船の父子2人が死亡した事故で、業務上過失致死罪などに問われた「あたご」の当時の当直士官2人の初公判が23日、横浜地裁(秋山敬裁判長)で開かれる。弁護側は無罪を主張、事故の事実関係を争うとみられる。海自艦艇の事故をめぐる刑事裁判は、30人が死亡した昭和63年の潜水艦「なだしお」事故以来、2例目。 起訴されたのは、衝突事故発生前の当直責任者だった元航海長、後(うしろ)潟(がた)桂太郎(38)と、発生時に当直責任者だった元水雷長、長岩友久(37)の2被告=いずれも起訴休職中。公判では、衝突に至る漁船の航跡や、2被告の過失責任の有無が争点になる。 横浜地検は、当直交代前の時間帯には、あたごと清徳丸は回避しなければ衝突事故の危険が生じる状況にあったと判断。交代前と交代後の当直責任者の双方の過失が重なる「過失