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2013年8月12日のブックマーク (2件)

  • 宮崎駿「風立ちぬ」〜「夢に忠実な人生」が、そんなに美しいのか?

    宮崎 駿「風立ちぬ」を見て 湯雅典 (C)2013 二馬力・GNDHDDTK 宮崎駿の「風立ちぬ」を見に行った。封切から1週間、日曜日ということもあって大型館有楽町スカラ座は、満席の大盛況であった。私は、「ゼロ戦設計者の半生を描く」話と聞いて、初めは見る気がなかった。しかし、ジブリが冊子「熱風」で「憲法改正」を特集を組み、宮崎駿が「憲法を変えるなどもってのほか」という長文のエッセイを自らの戦争体験と重ね合わせ書いているのを見て、少し映画も観たくなった。彼は、「改憲」反対の立場を明確にしたのだ。しかし結果は、完全に私の期待を裏切るものであった。 映画の主人公の堀越二郎は、確かに夢を追い続けた。そして、戦争によりその技術が完全に利用されたことも「意でなかった」ように描かれている。宮崎駿はその製作主旨を「自分の夢に忠実にまっすぐに進んだ人物を描きたいのである」(映画プログラム「企画書」より)

  • No.045 その涙を疑う理由はない―『風立ちぬ』 | 総合文学ウェブ情報誌 文学金魚 ― 小説・詩・批評・短歌・俳句・音楽・美術・骨董・古典・演劇・映画・TV

    『風立ちぬ』 2013年 (日) 原作・脚・監督 宮崎駿 プロデューサー  鈴木敏夫 制作         星野康二(スタジオジブリ) 音楽         久石譲 主題歌       荒井由実 『ひこうき雲』 上映時間     126分 ヒロインとの最初の邂逅の直後、汽車のデッキに腰かけた主人公がヴァレリーの詩句をつぶやくと、ショットは切り替わって彼の後ろ姿を画面の後景におさめる。そしてその前景には、煙管をくわえて渋い顔をした初老の男が腰をおろしている。公式資料によれば、彼はどこぞの魚屋のおやじらしい。ともあれ、いかにも宮崎駿の描く世界になじんだその男の、人生の年輪を重ねた見事な面構えをお見逃しなきよう、未見の方にまずは強く勧めておく。 恥ずかしげもなく告白すれば、この何気ないショットを目にして以降、思いがけず胸を衝かれた私は、「おわり」のクレジットが表示されるまでずっと目頭を熱くさせ