本来ならばバイキンマンを言葉で説得するか、あるいは彼を拘束したのち裁判によって量刑を決めるべきであって、アンパンマンの独断で暴力を振るってもバイキンマンの肉体的精神的自由を損なうだけで、更生をうながす効果がないのは明らかだ。 鉄拳制裁ののちに、バイキンマンが反省して悪事を控えたなどという話は聞いたことがない。 乳幼児にはフィクションと現実を区別する理性は期待できない。 分別が未熟な成長過程にある子どもの観るアニメなのだから、親たちが「本当は暴力で解決するのはいけないんだよ」と教育することで修正しているのだろうが、果たして本当に私たちはそういう教育を受けてきたか…? 反暴力の教育は、一体いつ施された? 実は大人になった今でも、「バイキンマンは鉄拳制裁を受けて当然だ」と密かに思っているのではないか。 いつかバイキンマンがあなたを訪れて、ほおに出来たアザを見せてアンパンチの被害を告白してきたとき