風も自分の思いのままに吹いているが、あなたはその声をきいても風がどこから来てどこへ行くかを知るまい。霊から生まれた人もそれと同じである。 ヨハネ福音書第3章 1-8 本当の自由意志を理解する鍵は、奥深くにある何か特別な塊の中ではなく、文化に囲まれ、社会化され、相互作用し、認識しあう、主体としての人間の無数の関係の中にこそ自由意志が宿ることを知ることだ。紐を操る人形師に全ての力を詰め込んでしまうデカルトの誤謬を古い伝統は犯している。この内側の主体を消し去って、その任務を脳全体のみならず、身体や、「外界の」文化貯蔵庫 ―ミーム、それからほんの少しの (人間の) 友人たちの助け― の中に分散させてしまえば、僕たちは自由意志を消し去る必要なんてないのだ!僕たちは自由意志を時空間の中に分散した現象として見做すこともできる。 Daniel Dennett "Some observations on t
システムにとって意図とは何か 前田 修吾 意図と行為の関係は因果関係であるという、古くからある常識的な説明は、デイヴィドソ ンが主張するように、正しいのだろうか。車のエンジンをかけたり、散歩をしていて、ふ と空を見上げたり、といった行為すべてに、行為に先行する意図というものが存在するの だろうか。 本論ではシステム論的な観点から意図と行為の関係を明らかにしたい。 伝統的な行為概念 意図と行為の関係を論じる前に、まず、後期ウィトゲンシュタイン以前の伝統的な行為概 念について触れておきたい。手を上げる、新聞を読む、ビールを飲む、などはいずれも行 為である。一方、石につまづく、寒さにふるえる、などの単なる身体的な振舞いを行為と 呼ぶことはできないだろう。では、行為と振舞いを区別するものは一体何だろうか。行為 とは一体何であるのか。 伝統的な行為概念では、振舞いに先行する意図が、その振舞いの原因を
すくらむ国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。 この間寄せられた、正社員の解雇規制の緩和が必要とするコメントの趣旨は、「日本経済全体のパイが少なくなっているから、労働者のパイも減らさざるをえない。にもかかわらず、正社員の既得権(強すぎる解雇規制と賃下げ不可)のせいで、非正規労働者だけに犠牲が押しつけられているのだ。この正規と非正規のダブルスタンダードをただすには、正社員の解雇規制緩和や賃下げをして(特に大企業の中高年正社員がたいして働きもせず給料もらいすぎをただすべき)、その分を非正規労働者に分け与え、正規と非正規を平等にして、雇用流動化してこそ、非正規は救われるのだ。また終身雇用や年功賃金が差別要因となっているので改善が必要だ」というものです。年功賃金の問題については、先日のエントリー「解雇規制緩和でなく劣悪な仕事な
Author:くるぶし(読書猿) twitter:@kurubushi_rm カテゴリ別記事一覧 新しい本が出ました。 読書猿『独学大全』ダイヤモンド社 2020/9/29書籍版刊行、電子書籍10/21配信。 ISBN-13 : 978-4478108536 2021/06/02 11刷決定 累計200,000部(紙+電子) 2022/10/26 14刷決定 累計260,000部(紙+電子) 紀伊國屋じんぶん大賞2021 第3位 アンダー29.5人文書大賞2021 新刊部門 第1位 第2の著作です。 2017/11/20刊行、4刷まで来ました。 読書猿 (著) 『問題解決大全』 ISBN:978-4894517806 2017/12/18 電書出ました。 Kindle版・楽天Kobo版・iBooks版 韓国語版 『문제해결 대전』、繁体字版『線性VS環狀思考』も出ています。 こちらは10刷
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