2018年3月22日のブックマーク (1件)

  • 如月新一「爆破ジャックと平凡ループ」#17-10周目 一番くだらねえクソッタレな人生|henshu_ckr

    十二月の風が、今度はなんだかやけに染みた。目の前のあかいくつバスに、もう乗らなくてもいいんじゃないか、という気さえして来る。 別に、彼女を救ったから、どうこうということを期待していたわけではない。困っている人がいたら、助けたい、という気持ちに近い。そう思っていたのだが、俺はやはり、咲子さんを助けて彼女に優しくされ、感謝されたいと思っていた。 それが、蓋を開けてみたらどうか。 彼女を助けるために行動していたのに、彼女はバスジャック犯になり、昔のことまで引っ張り出されてなじり倒された。 「お客さん、乗らないんですか?」 運転手に声をかけられ、俺はふーっと大きく息を吐き出すと、「乗るよ! 乗ってやるよ!」と大股でバスに乗り込んだ。 「あんたは、いつもぐるぐる同じルートを運転してるだけの仕事だ。楽でいいよな」 「声をかけてきたと思ったら、突然なんだよ、その言い草は」 ふんっと鼻息で返事をする。今度

    如月新一「爆破ジャックと平凡ループ」#17-10周目 一番くだらねえクソッタレな人生|henshu_ckr