2018年3月29日のブックマーク (1件)

  • 如月新一「爆破ジャックと平凡ループ」#19-12周目 そのお金、どうにかできるかもしれませんよ|henshu_ckr

    十二月の風が吹き抜ける。泣きはらしたことによるダメージが残っていないのが、救いだった。目の前に停車しているあかいくつバスに乗り込み、「お疲れ親父」と声をかけ、パスケースをタッチして清算をすませる。 菜々子嬢のコーヒーをかわして、咲子さんの隣に座る。 「森田くんじゃん、久しぶり。何年振り?」 「五年ぶりだよ。ちょっと大事な話があるから、後ろの席にいかないか?」 「いいけど、わたし次で降りちゃうよ?」 「すぐに済むから」 そう言って誘い出し、バスの最後部座席へ移動する。窓側に咲子さんを座らせて、ふーっと息を吐き出す。 「大事な話ってなに? バンドのこと? それとも、そのスーツ姿のこと?」 「咲子さんに話したいことはたくさんあるんだけどさ、まだ言えないんだ」 「呼び出しておいて、なんなの一体?」 「実は一つ、お願いがあってきたんだ」 「お願い?」 「これから、ちょっと大変なことが起こるんだ。それ

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