この場合のレンジはれっきとした調理器具の名称です。 下がオーブン、上が鉄板になっていて、鉄板の上に鍋やケトル、フライパンなどをおいて調理する複合機器。イギリスをのぞく欧米ではRange イギリスではCooker という。 オーブンが普及していない日本の家庭で見かけることはすくないが、日本でもレストランの厨房にはふつうにある。 rangeの語源はrank. 並べるの意。中世の欧州では暖炉が調理場を兼ねていたが、15Cころ暖炉から出島のように飛び出す形の、調理に特化された小型かまどが生まれた。暖炉と並んだ調理設備なのでrangeと呼ばれた。初期のレンジは熱源を暖炉と共有していたがまもなく別の火口を持つようになった。 時代を経て調理の場所が暖炉から分離、調理専用の設備ーキッチンに組み込まれる。このとき以来レンジは暖炉のつづきではなくキッチンに設置され暖炉とは別の歴史を歩みはじめる。暖炉から分離し