この部屋で7月、中国電力OBの牧野寿(ひさし)さん(65)が、運転員の小川翔さん(27)に声をかけた。再稼働を見据え、炉内で発生させた蒸気で発電用タービンを回し始める想定で、小川さんがスイッチを操作すると、2人で計器を指さしながら確認した。 現在停止中の2号機は原子力規制委員会による約7年8か月にわたった安全審査に「合格」した。ただ、島根原発は10年以上停止しており、運転員107人のうち38%に当たる41人に運転経験がない。中国電力は今年度から、30年以上のキャリアがある元運転員の牧野さんに依頼し、訓練を始めた。