反黒人差別を訴えるアメリカの抗議運動には、若いアジア系やラテン系の姿も多くみられる。しかし、彼らの親世代には黒人に対する偏見や差別意識を抱いている人が少なくない。 なぜ同じマイノリティーのなかで“序列”ができてしまったのか。人種差別問題をめぐる親世代と子供世代の考え方の違いや対立に、米紙「ワシントン・ポスト」が迫った。 「機会は平等に与えられる」というアジア的発想 口論の始まりは、チャーリー・マイ(24)と弟のヘンリー(22)がその日の夕方、ワシントンDCで行われる「Black Lives Matter(BLM、黒人の命も大事だ)」の抗議デモに参加すると言ったときだった。父は2人を行かせようとしなかった。 父親のグレン・マイ(54)は元FBI捜査官。テキサス州ダラスの中国系移民の家庭に生まれた彼は、必死に働けば成功すると教えられて育った。 「中国の文化では、組織の中で働くことが何よりも重要