今となっては古風な考えに思えるが、米国の文化評論家ニール・ポストマンは1985年、我々は皆、「死に至るまで娯楽に興じる」と警鐘を鳴らす本を著した。 (題名は『Amusing Ourselves to Death=邦訳:愉しみながら死んでいく―思考停止をもたらすテレビの恐怖』) それによると、「しゃべるヘアスタイル見本」の登場でテレビのニュースは芸能娯楽番組に変質し、公の場での議論が安っぽくなった。テレビは情報の新しい「品種」を作り出した。 これは偽情報と呼ぶ方が適切で、「見当違いで無関係で断片的か皮相的な情報」で知識の価値を貶めた。この種の情報からは意味のある内容が排除されている。 2003年にこの世を去ったポストマンがまだ存命だったら、人が娯楽に興じる独創的な形態をはるかに多く備えたソーシャルメディアについてどう考えたか、想像するだけで震えがくる。 インターネットの登場は、公の場での議論