人口3億人超に対し137万人という膨大な人数の軍隊を抱える米国。その軍人たちはリクルート活動によって集められる。ターゲットとなるのは、中間・低所得層だ。 元陸軍兵ジョナサン・ロー(26)にとっては、ニューヨーク州北部の小さな街にある高校内に設置されていた陸軍と海兵隊のリクルートテーブルが、入隊への入り口となった。なかでも陸軍のリクルーターは、こう言った。 「大学にタダで行けますよ。入隊し、教育を受けて、さらに国に貢献することができます」 「すごいな!」とローは思った。移民の両親は、第1世代であるローに対し、「教育を受けること、自立した大人になること」が人生の目標だと叩き込み、プレッシャーをかけていた。それを一挙に解決してくれるのが、陸軍への入隊だった。 2005年、陸軍の歩兵スナイパーとして入隊。08年から1年8カ月、イラクに駐屯した。到着してわずか2週間で、親しい仲間を失った。午