江戸の飲み水を支えた玉川上水とその分水網は世界遺産にふさわしい-。玉川上水の保全などに取り組んできた市民や研究者らが手を結び、機運を盛り上げている。2020年の東京五輪・パラリンピック後のレガシー(遺産)にと、行政も巻き込んだ流れをつくりたい考えだ。 (竹島勇) 玉川上水が通る東京都武蔵野市のホールで五月二十九日、「玉川上水・分水網を世界遺産・未来遺産へ 第一回シンポジウム」が開かれた。保全などに関わってきた市民団体と研究者らでつくる準備会(代表・田畑貞寿千葉大名誉教授)が主催した。 シンポでたびたび語られた言葉が「オリンピックレガシー」。元東京都副知事の青山やすし明治大大学院教授は「東京五輪があるという良いタイミングだ。遺(のこ)すのは前回五輪のような環状7号線や首都高といった道路ではない。必要なレガシーは、玉川上水と分水網のような連続した水と緑だ」と主張した。 ロンドン五輪から、五輪後