前回は2008年前半の景気を展望したが、それに続いて今回は後半の景気を展望してみよう。 今年前半の景気は低迷するとわたしは述べたが、後半の景気については楽観視している。ただ、誤解しないでいただきたいのは、景気が上向くといっても、あくまでも株価や地価が上がり、日本経済全体がやや活気を取り戻してくるという意味だ。景気回復の恩恵を受けるのは大企業や金持ちなどのいわゆる「勝ち組」であって、一般庶民の家計は、まだまだ我慢の時期が続くだろう。 では、なぜ後半の景気が上向くかといえば、これまで景気を足を引っ張ってきた悪い材料が出尽くすためだ。そのポイントは五つある。 サブプライム・ローン問題の行方 原油価格の今後の推移 米国への投資資金の流れ 日本における増税 日銀福井総裁の引退 では、それぞれのポイントについて詳しく検討していこう。