Web2.0という言葉は,ネット業界にとどまらず,一般の人々も口にするような言葉へと瞬く間に広まった.これはティム・オライリーの言説の影響力と,その絶妙なタイミングの賜物だが,日本においてその役割を担ったのは,『ウェブ進化論』(ちくま新書,2006年)を著した梅田望夫である. Web2.0の構成要素となる一つ一つの技術や概念は,いずれも1990年代後半に既出のものであり,真新しさは少ない.むしろ,オライリーや梅田らの言葉が「通用」するようになったのは,一般の人々がこれらの新しいインターネット・メディアに絶えず触れつづけ,すでに身体的に薄々気づいていたところに,あらためて言葉が与えられたからにほかならない. ネットバブル崩壊後,「革命」という言葉を素面で論じられる土壌がはじめて復活したのである.しかも,ニューエコノミー論のような「生産性の向上」に偏った視点ではなく,正しいかたちでコミュニケー
ゲーム/物語/RMT インタビュー パク・サンウ(Park Sang-Woo) ゲーム評論家 聞き手:東 浩紀 GLOCOM主幹研究員 + 井上明人 GLOCOM研究員 (本誌より、部分的に掲載) 金銭へのフェティシズム──株式房・SOHO房からPC房へ 東── 『動物化するポストモダン』を読んでいただいているようなので,物語という部分にからめてお聞きしたいと思います. 先ほどパクさんは,ゲームはスキゾ的=分裂症的だという話をされました.これを次のように言い換えることができると思います.わたしは『動物化するポストモダン』で「大きな物語」という言葉を,人々を一つのイデオロギーによってくくる装置,という意味で使用しました.この考え方からすると,コンソール機でのゲームプレイにおいては,プレイヤーごとに一つ一つ小さな物語が生まれるのであり,したがってそれが大きな物語に対する抵抗の道具になると言える
梅田望夫(以下,梅田)── わたしは今年45歳になるのですが,自分の来し方を振り返れば,まずはサバイバルするための資産作りをファースト・プライオリティ(最優先事項)に置き,それがある程度セキュアーになってから自分の知的生活を楽しもうという生き方を,かなり戦略的に追求してきました.『知的生活の方法』(渡部昇一)や『知的生活』(P・G・ハマトン)には「資産がなければ知的生活は送れない」というテーゼがありますが,そのためのお金をどこから持ってくるか.これを若い頃からずっと考え続けてきました.結局,大学や研究所に勤めてお金を稼ぎながら「知的生活」を送るか,まずはビジネスで稼いでセミ・リタイアしてから,経済的な独立を基盤に「知的生活」に入るか,そのどちらかしかないと結論づけて,後者の道を目指して歩いてきたのです.われわれの世代は貧しい日本を知っている最後の世代でもあるし,わたしは,いつもこういう自分
GLOCOM Review 8:3 (75-2) © 2003 Center for Global Communications 創発民主制 Emergent Democracy Version 1.3 March 12, 2003 伊藤穰一 (訳 公文俊平) : 【目次】 民主制 アイデア間の競争 批判的なディベートと言論の自由 コモンズ プライバシー 世論調査と直接民主制 創発 ウェブログと創発 ベキ法則 メイフィールドのエコシステム 弱いつながりの強さ 脳と興奮性ネットワーク 信頼 ツールメーカー われわれはいまどこにいるのか? 結論 41 [要旨] よ イ り ンテリ ジェン なイ ト ンターネ トでは世界の不均衡と不平等を是正するための新たな民 ッ 主的方式が利用でき よ になる して、イ るう と ンターネッ トの擁護者たちはそれを模索してきた。 だが今日の現実の
News 2005年GLOCOMフォーラム開催のお知らせ 8月20-21日・横浜プリンスホテルにて、「2005年GLOCOMフォーラム」を開催いたします。今回のテーマは『情報社会の合意形成』です。 ・「2005年GLOCOMフォーラム」開催概要 テーマ:『情報社会の合意形成』 日 時:8月20日(土曜日)、21日(日曜日) 場 所:横浜プリンスホテル・貴賓館(20日)、綾錦(21日) 詳しくは、「2005年GLOCOMフォーラム」のページ、もしくはPDFをご覧ください。 IECPからのお知らせ 【7月29日IECP研究会】(会員限定) テーマ:「ポップカルチャーとパブリック・ディプロマシー」 ・講師:岡田 眞樹(外務省広報文化交流担当審議官) ・日時:2005年7月29日(金) 午後2時〜午後5時 ・場所:国際大学グローバル コミュニケーション センター (東京都港区六本木6
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