図1 共鳴型ワイヤレス給電システムの構成要素 共振周波数を一致させた2つのコイルを結合させて電力を送る。図は、2009年10月号の本誌特集記事「ワイヤレス送電第二幕」に掲載したもの。 「共鳴(Resonance)」という興味深い現象を使ってワイヤレスで電力を供給する技術に注目が集まっている(図1)。 共鳴とは、2つの物体が何らかの形で離れたまま「結合」し、相互に強く影響し合っている状況を指す。送電側デバイスと受電側デバイスが共鳴によって結合した「共鳴型ワイヤレス給電技術」には、1m以上離れた場所に、50%を越えるような高い伝送効率で電力を送れるという特長がある。従来技術では実現できなかったため、「夢の技術」と称されることもあるようだ。現在、米WiTricity社や米Qualcomm社、長野日本無線、ソニー、東芝といった国内外の企業が実用化に向けた研究開発を進めている(図2)。 「無線電力