8月30日に国会周辺で行われた安全保障関連法案に反対するデモでの参加者の演説と、それに対する一部メディアの過剰な反応がさっぱり分からない。主催者発表では約12万人だが、産経新聞の試算では3万2千人程度の参加者にとどまるこのデモが、どうしてそんなに重視されるのか。 デモ翌日の31日の在京各紙をみると、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞が1面でデモを取り上げていた。特に東京は1面をデモの記事で埋め尽くしたほか、2面、3面と社会面見開きで大きく紹介している。 まるでこの日は、ほかにはろくにニュースがなかったかのようである。 ■多数派の意思無視 もちろん、憲法は集会や表現の自由を保障しているし、デモが意見表明や対象に圧力をかける手段であることも分かる。とはいえ、チベットやウイグルで反中国政府のデモをするのとは異なり、弾圧も粛清も絶対にされない環境でデモをすることが、そんなにもてはやすべきことなのか。
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