今年も残すところあと2週間余り。恒例ですが、今年もこのエントリーを残すこととします。なお、例年のとおり、このエントリーは今年、自分が読んだ本を対象としており、新刊に限ったものではありません。 エドワード・フレンケル(青木薫訳)『数学の大統一に挑む』 数学の大統一に挑む 作者:エドワード・フレンケル文藝春秋Amazon 数学者フレンケルによる自伝であり、ラングランズ・プログラムの研究にいたるまでの、現代数学の解説の要素を含んだ一般向けノンフィクション。最先端の数学ではどのような研究が行われているのかを垣間見ることができます。脚注を丁寧に追えば、抽象数学への見識が少しだけ深まるように思います。 訳者も物理学で博士号を保持しており、類書を数多く翻訳しています。ローレンス・クラウス『宇宙が始まる前には何があったのか?』、サイモン・シン『フェルマーの最終定理』、マーシャ・ガッセン『完全なる証明 10