(前回の続き) 本題とはやや外れるが、若干解説すると、その男性・半田寛一さん(仮名)は正確には船乗りではない。国際的な漁業現場監督というところだろうか。ある水産会社とフリーの契約を結んでいて、突然「半年ロシア行ってくれ」「ノルウェー行ってくれ」と言われて、スポットで現地の監督に行くということだった。裏を返せば、日本の漁業は消費者に対する安定供給のために、漁場を取り尽くしては移動していくということを繰り返しているということでもある。なんともグローバルな話である。海底を根こそぎさらってズタズタにする底引き網のひどさなど、「エビと日本人」かはたまた「バナナと日本人」を彷彿させ興味深かった。 そんな話をしつつ本題であるフィレオフィッシュの話を半田さんにぶつけてみると、 「メルルーサはヨーロッパではタラよりも好まれて食べられる場合もあるよ。そんな変な魚じゃないよ。それにフィレオフィッシュのパテってタ