現在、上野の東京都美術館ではボイマンス美術館所蔵のブリューゲル「バベルの塔」展が 催されている。もちろんピーテル・ブリューゲル1世(Pieter Bruegel the Elder)の1568年頃 の作品「バベルの塔(The Tower of Babel)」がメインの展覧会ではあるが、ここでは J・コック(Jérôme (Hieronymus) Cock)の「聖アントニウスの誘惑(The Temptation of St. Anthony)」 (1522年)を取り上げたい。ここで扱われている「グリロス(頭足人間)」の語源を探るためである。 上の作品はヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch)の1501年頃に描かれた 「聖アントニウスの誘惑(The Triptych of Temptation of St. Anthony)」の一部であるが、 手前にいるのが頭と足が直接つながって
